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Logos 今月の言葉

☆ 2018年8月

「平和の祈り」コンサート 第2部のご報告です。第1部の終わりは聖歌隊とミシェーラ室内アンサンブルとのコラボでした。おわってから奇しくも双方から一緒にやってよかった、またやりたいという声でした。次にミシェーラ室内アンサンブルによるバッハの「目覚めよと呼ぶ声聞こえ」です。このアンサンブルは回を重ねるごとに呼吸が合って深くなります。僭越ですが。 
そして
2部です。大平まゆみさん(札幌交響楽団コンサートマスター)のご協力です。 
仙台ご出身で、東京芸大の途中でサンフランシスコ音楽院に招待留学、そのごアメリカでご活躍、タングルウッド音楽祭で最優秀賞を得、卒業後同大学で講師、シラキュースでコンサートマスター、バンクーバー交響楽団、東京交響楽団のコンサートマスターを経て、現在札幌交響楽団のコンサートマスターです。
2014年には『100歳まで弾くからね』を上梓、社会的にもヴォランテイア活動を積極的になさっておられます。 
今回わたしどもの「平和の祈り」コンサートには快くお引き受けくださり、実は前日よろしくお願いいたしますとお願いしましたところ「わくわくしています」というお応えでしたし、コンサートの終わりではご自身のトークで「実はこのような雰囲気のある所で演奏することがとてもうれしいのです。今回もそうでした。」といってくださいました。 

さてプログラムですが、初めはエルガーの「愛のあいさつ」。そしてバッハのパルティータです。ほんとうにバッハらしい曲です。つぎのドボルジャークの「ユーモレスク」と「わが母の教え給いし歌」ということでした。ドボルジャークはいろいろな機会によく知られた曲がありますがそのパッセージを披露してくださり、その後の「日本の歌」に入りました。ご自身最近日本の歌の文部省唱歌や童謡を
CDリリースされましたが、その曲を、参加者の間を歩き巡りながら、演奏しながらご披露してくださいました。参加者の中から釣られてコーラスが静かに起こりました。わたしは参加者の方々にもっと歌うことを促したらよかった、と思いました。

最後は「チゴイネルワイゼン」!これは、かつて「ジプシー」と言われた人々の流浪の歌です。哀愁に満ちた出だしですが、決して自分の文化を失わず、そのアイデンティティーを大切にする、したがって、ただの哀愁におわらず民族としてのほこりと栄光を奏でる曲でした。

今回の「平和の祈り」コンサートは、第
1部の「亡命」のなかで歌われた歌の数々、しかも夢を実現するまで希望を失うな、とのメッセージ、そして終わりは決して自分たちの志を失わない民の歌で閉めくくりました。参加された方々の中には、従来のセンター講座などに参加されていない方々が多く見受けられました。大平さんの演奏を楽しみにした方々でしょう。
ことしの上半期、特に聖歌隊の方々は、従来の賛美歌ではない歌を歌う機会となりました。またコラボもありましたので、練習もいつもよりはるかに気遣いの多いことでしたでしょう。でも取り組みとても良い経験をしてくださいました。感謝です。
雨貝行麿