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Logos 今月の言葉

2018年5月
毎年6月には「さっぽろ教会音楽祭」を開催しています。札幌とその近郊の諸教会の聖歌隊、キリスト教音楽を研鑽しながら歌っているグループが一堂に会して、交流し、交歓する音楽祭です。5月に入りまして企画・準備が進められます。
今回は22回です。初めは1996年、参加団体は15でした。実行委員会を組織して会合を「手弁当」ヴォランティアで始めました。いまもそのようにして担っています。ほぼ10名ほどの方々、カトリック、プロテスタント、そして有志の方々の実行委員会です。
そこで20回を超しますと、いろいろと打ち合わせて合意しておかなければならないことも出てきました。次の世代に伝える、運営の方針のようなことです。
そこで以下のような項目を明文化してみました

1.実行委員会のメンバーは、その個人の信仰の内実は問わないこと。音楽祭の企画・実施で、伝道集会ではないからです。聖歌隊の方々から始まりましたが、いまではキリスト教音楽を愛好する方々に広がってきています。この方向は、日本では歓迎さるべき方向でしょう。

2.          教派を超える、ということです。教派、それは、それぞれの多彩な、時には相互に矛盾する考え方や伝統をもつのです。教派の相違、矛盾はしかし日本の場合、むしろ相互理解の得難い機会とします。この活動は交流・交歓・親睦の機会です。音楽祭だからできることなのです。教派の特徴に対して尊重する姿勢を持たなければなりません。実行委員のみならず参加する団体の方々にも求められます。信仰箇条を取り扱ったら一堂に会することは困難です。

3.          音楽祭の会場は、教会堂で行うこと。これはある程度の入場のキャパシティーが必要です。最近では日本基督教団札幌北光教会会堂、日本聖公会札幌キリスト教会会堂、日本バプテスト連盟札幌バプテスト教会会堂で開催されています。教会堂をこのために開放してくださっています。教会堂はそれぞれの信徒の方々が捧げ、維持していることです。そのために教会はそれぞれ会堂使用に際しての規定をもっています。それ等の点に関して使用するにあたって十分な事情の理解をしておく必要があります。また参加する団体の方々もその点を理解しておかなくてはなりません。

4.          実行委員会は、この音楽祭を企画して、実行する役割があります。より多くの方々に参加を呼びかけ、またよりたくさんの聴き手においでいただくよう努めたい。実行委員会は参加団体の演奏を評価したり、批判したりすることはしてはなりません。

5.          教派によっては典礼音楽、礼拝音楽、ミサなどに制約がある場合があります。しかしこの音楽祭は礼拝やミサではありません。むしろこの音楽祭においてこそ自由な試行が可能です。その点においてもこの音楽祭開催の意味があります。

これらの事項は、この音楽祭にあたり、また実行委員会を重ねてきて気が付いたことどもです。参加する方々も以上の諸点にご留意していただきたいのです。そしてそろそろ後継する方々へもお伝えしたいのです。雨貝行麿