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Logos 今月の言葉

  

2017年12月
クリスチャンセンター旧館には2階に図書室がありました。
およそキリスト教は山にこもって解脱するような宗教ではなく、独りで瞑想にふけることによるのでもなく、信仰をもって生きた人々の記録・証言に学ぶものですね。そもそも聖書の成り立ちがそうですし、聖書をよむのも国語辞典を手引きにするのではなく聖書を学ぼうとするならば聖書の中のかかわりのあることから理解する方法をとるのです。読書によって信仰の生涯をまなび、共感し、励まされ、希望を新たにすることを経験します。
2008年秋センターの館長として迎えられました。センターは既に新館になっていました。館内を見て不可解でした。図書室がないのです。私は修道院を知っていますが、かならず膨大な図書を管理している図書館というものがその一部になっています。その活動では図書館の機能が中心的な位置です。日本でもキリスト教と名のつくところは教会、病院、施設でもなにがしかの図書を保有して、これを閲覧に供しています。キリスト教の信仰、神学を学ぶ便宜を図ることはその役割の中枢にあります。
センターの新館建設1984年以来、40年間図書室を設けることをしてきませんでした。図書を閲覧に供することをしてきませんでした。今、図書費は年間1万円です。
そこで2010年「図書コーナー」として1階ロビーの片隅に本箱を購入して設けました。倉庫内に新館建設に際して保管してある、段ボール箱を探し出しました。数点の図書を見つけました。カビが生えている図書も見つかりました。中にはセンターに寄贈されていた図書もありました。
信仰の証に類する図書は内容的に古くはなりません。それを見た方々の中に永田幸子姉(学生時代東京信濃町教会の青年会で活躍された)から段ボール箱で4箱ご寄贈がありました。わたしも寄贈しました。戦後間もなくのキリスト教の盛んな時代に出版された貴重な図書もありました。
1951年センターの前身、当時はキリスト教会館ではチャプマン宣教師が、北海道大学が近いこともあり青年学生たちと当時新刊の英語のキリスト教図書を読んでいました。その片鱗を感じさせる古い、分厚い辞書がほんの数点出てきました。かれはセンターに神学校を作る構想もありました。その学習会に参加していたかつての青年もあらわれました。
しばらくしてから市電が払い下げられたとき、そこに子どもたちの図書室をもうけて担当の方をおいて指導していました。しかし新館設計の段階で、図書室はなくなり、竣工とともに当時の図書も散逸してしましました。その後英会話教室が続けられていましたが学習発展のための書物はおくことはしませんでした。
2017112、5mの幅7段の書棚を増補しました。図書「コーナー」ですが、たちよる方々が書棚を見ておられたり、借り出しをされることを見るとうれしいですね。相談室にも常時啓発する図書を置いてくださいとお伝えしました。
また関係キリスト教団体の広報を揃えるようにしました。道内諸教会の月報等を閲覧に供しています。読書は経験を吟味させ、新たな経験世界を展望させてくれます。

                                      雨貝行麿