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Logos 今月の言葉

201310月 

今年は「老人福祉法」施行50周年です。日本は世界一急速な高齢化社会にむかっています。当初は現役世代と高齢世代の比率は9対1、野球の胴上げ型、2005年にはほぼ3対1の騎馬戦型、そして2030年から50年にかけては1対1の肩車型になります。
 プロテスタント教会の会員においても当然高齢化が訪れていますが、一般社会よりもその速度は速い。札幌市におけるキリスト教人口はその統計が明確ではありませんが特に日本キリスト教団の札幌地区教会では高齢化が著しい。
 かってキリスト教は青年の宗教といわれて、教会員には青年層が多く、そして活発な活動がなされていました。活発な活動は、その財政は青年層によってではなく、壮年層になって支えられました。しかしその壮年層がいま急速に高齢化しています。年金受給者となりますと教会の財政収入は低下してきています。
 青年層が減少し、その活動は停滞して、財政的にも支える必要がなく、教会の活動は担い手も、その財政支援も減少し、低迷しはじめています。
 教会は、この現実に対して宣教的な手だてをもっているでしょうか。いえ自覚しているでしょうか。
 高齢者は、主日礼拝に出席できない場合が多くなります。礼拝に出席できない場合に説教を聞くことができる方途が必要でしょう。出席しても説教が聞き取れない。讃美歌が歌えない。とくに讃美歌21になりますとうたったことのない讃美歌、メロディは知っていても歌詞がところどころ違う。字が小さくて見にくい。口が渇くが水がのめない。このようなことへの配慮をしたい。車いすで出席できるよう、車いすの場所、通路に工夫がほしい。バリファフリーもしたい。礼拝堂内まで階段が多いので器具の設置、介助するひとがほしい。トイレも改造したい。休憩する場所がほしい。青年会、壮年会はありますが、高齢者の交わりもほしい。
 高齢者が介護福祉の場に入所したら訪問したい。入院等はプライバシーに配慮して、その情報を共有したい。
 日本ではプロテスタント宣教が始まり、教会、キリスト教学校、そして社会福祉の働きで先駆的でした。これらの働きはかってはかなり連携してきました。しかしキリスト教学校はすでに100年を超えて、教会の働きをはるかにこえていますのでもはや教会の働きに連携することができないほど離れてしましました。また福祉も国家の政策で開始されて50年、高齢化の進捗と共に教会とは、その歩みを共にすべく待ってはいることができません。すでに連携することができなくなるほど高度化しました。キリスト教宣教においてそれらの視野をもつことさえ忘れてしまってはならない。
 教会は、いま高齢化の進捗の中で社会の変動に立ち向かう方途を見出すことが大切です。社会では見えない形で、病弊と貧困が広がっています。そのような社会の動向に対して手をこまねいていてはならないでしょう。時代はずいぶん先を行っています。教会の主体自体も高齢化していますが早急に高齢者にむけた宣教への取り組みをしたいものです。
                                            
雨貝行麿

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