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Logos 今月の言葉

2015年2月

「民主主義」

 先日、日米地位協定入門の著者である前泊博盛さんの講演を聞く機会がありました。前泊さんは「沖縄は日本の民主主義のカナリアである」と言われました。炭鉱の教会に赴任していた矢島信一牧師が以前炭鉱に入った時の話をしてくださいました。炭鉱の一番先端には入る時、しばしば発生するメタンや一酸化炭素といった窒息ガスや毒ガス早期発見のための警報としてカナリアを使用するのだそうです。カナリアはつねにさえずっているので、異常発生に先駆けまずは鳴き声が止む。つまり危険の察知を目と耳で確認できる所が重宝され、毒ガス検知に用いられたのです。
 前泊さんの言う「沖縄は日本の民主主義のカナリアである」のカナリアとは、この意味でつかわれたのです。沖縄では辺野古の新基地を多くの県民が反対しています。20141月に行われた、名護市市長選にも建設反対を訴える稲嶺市長が当選しました。201411月に行われた、知事選でも同じく建設反対を主張する翁長知事が当選しました。同じ日に行われた県会議員選挙でも、建設反対派が過半数を圧倒的に超える多数を占めました。201412月に行われた衆議院選挙では政党間を超え、オール沖縄として辺野古新基地の建設をさせないと主張し、4つの小選挙区にそれぞれの候補を立て、すべての小選挙区で勝利したのです。日本は民主主義です。そして国民が民主主義を最もあらわす手段として選挙があるわけです。これだけ選挙で民意を表しても、政府は辺野古新基地を粛々と進めていくと表明しています。沖縄には民主主義はないのでしょうか。
 選挙で民意を表しても無視され、反対の行動や声を上げると、強制的に排除されます。キャンプシュワブゲート前では座り込みをすると機動隊に排除され、中には怪我を負わされ、テントの撤去命令が出されています。辺野古海上では埋め立て工事区域内外を問わず海上保安庁に拘束され、暴力を振るわれ、何人も怪我をしています。カヌー隊の中には沖合4キロまで連れていかれそこで解放されるということもありました。何が安全の確保なのでしょうか。一歩間違えば死んでしまいます。
 沖縄の人たちは一体どうしたらいいのでしょうか?
 ドイツのルター派の牧師で反ナチ運動組織告白教会指導者のマルティン・ニーメラは次の言葉を残しています

「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった 

 今私たちは日本の民主主義を守るためにも沖縄と連帯し、沖縄の民意に寄り添った行動をする重要な時を迎えているのではないでしょうか?

                              主事 板谷良彦  

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